# 神奈川県立音楽堂ホワイエ 建築再検証

調査日 2026-10-31。対象は1階ホワイエ。`scripts/build_foyer.py` の v1 と `output/3d/01_foyer_perspective.png` を、公式平面、設計者の講演資料、2019年改修関係者の写真、2024年と2026年の来訪写真に照合した。写真は内部形状確認用で、公式写真や来訪者写真を公募提出ビジュアルへ直接転載しない。

## 最優先で修正すべき点

1. **両端階段は同形・同向きではない。** 公式1階平面では階段4と階段3の主な昇降方向が約90度異なる。両方を単純な x 方向の同じ階段として複製した v1 は誤り。階段は平面上でも少し斜めに振れており、最下段は広がる。細い黒い縦手すり、木色の曲がる笠木、青灰色の踏面、白い段板先端、露出する構造材を写真に合わせる。
2. **緑壁側の反復する木製両開き扉は、実在写真と合わない。** 実際はコンクリートの柱間ごとに緑壁が続き、上部の丸い空調開口、白い小型の壁付けスピーカー、部分的なシャッター・扉、分離した緑ロッカー、木製カウンター等がある。客席の木質扉のイメージをホワイエ長辺へ一律に移した v1 を改める。
3. **天井高 6.3 → 4.5 m は特にホール側が高すぎる。** 後述のスケール付き断面から、窓側約5.5〜5.8m、ホール側約2.8〜3.2mと読める。写真のロッカー高さとの比較もホール側の低さを支持する。これは寸法注記の転記ではなく図上のスケール読み取りである。
4. **円環ベンチを現在像の基本にしない。** 2017年の写真には円環ベンチがあるが、2019年の改修関係者写真と2024年写真では柱の足元が露出し、矩形ベンチが窓側・柱周りに並ぶ。2019年照明学会記事の円環ベンチ写真は撮影日が不明であり、記事公開年を写真撮影年と同一視しない。
5. **天井の細い垂直銀色円筒を、横長の照明とは別に再現する。** 円筒は梁下面に直接付いて垂直に下がる一列の器具。横長の樋形照明のようなワイヤ支持にしない。見学記と形から照明と強く推定されるが、一次資料で機能・型番まで確定していない。部品名は「既存円筒器具 照明と推定」が適切。ダクトと断定する根拠は見つからない。

## 確定できる情報

| 対象 | 確認結果 | 根拠 |
|---|---|---|
| 対象場所 | 1階ホワイエ。ホール舞台の19.4×7.4m、高さ8.8mを流用しない | 公式フロア図、詳細平面 |
| 短辺の構造芯 | 6,800 + 6,800mm の2スパン。室内有効幅ではない | 公式詳細平面の寸法線 |
| ホワイエ面積 | フロア図に571.47㎡と記載。ただし算定境界は明示なし | 公式フロア図 |
| 中央柱列 | 長辺に沿う楕円断面のコンクリート柱。木型枠の木目・打継ぎ線が見える | 公式関連改修紹介、複数年の写真 |
| 床 | テラゾー。白い帯で囲む角丸の灰色骨材区画と、一部の赤茶区画 | 公式関連改修紹介、接写 |
| 天井形状 | 客席下の段形状とコンクリート梁。窓側が高く、ホール側が低い | 設計者断面と写真 |
| 階段 | 2本あり、主な昇降方向と平面形状が異なる | 公式1階平面と両方向の写真 |
| 1階ロッカー個数 | 50個。収納部寸法は縦30×横35×奥行42cm | 音楽堂公式サービス |
| ロッカーの外観 | 緑色、5段、銀色の縦長コイン鍵パネル、橙の鍵札、緑の張り出し取っ手 | 2024年と2026年写真 |
| 写真上のロッカー分割 | 5段×4列を2箱、5段×2列を1箱。20+20+10で公式50個と整合 | 2026年の緑壁全景と2024年接写 |
| 照明の種類 | 長い樋形の吊り器具と、細い垂直銀色円筒の2種類が存在 | 2019、2024、2026写真 |

## 強い推定とモデル寸法

### 高さの改善根拠

前川建築設計事務所長・橋本功の2019年講演記録、PDF7ページ目に、10mスケール付き音楽堂断面がある。保存 `maekawa_seminar_2019.pdf`、図の拡大 `section_scale_crop.png`。

拡大PNGで10m目盛は約410px。ホワイエ相当区間は図の x 約630〜1200px、床線 y 約660〜675px、天井下端 y 約435〜555px。線幅・歪み・図版自体の小ささを考慮すると、窓側約5.5〜5.8m、ホール側約2.8〜3.2m、中央柱列付近約4.2〜4.5mの範囲が読み取れる。短辺区間も約13〜14mとなり、公式平面の13.6mと大きくは矛盾しない。

v2 に 5.7 → 3.1m 前後の段状天井を使うことを推奨した。これは現地のレーザー実測ではない。コンクリート梁下面・白い段天井下面・壁上端は同じ高さではないため、パラメーター名を分ける。緑壁の上端と梁下面は天井面より低くなる。

### 平面の寸法と柱

- v1 の長辺30.6m、柱ピッチ4.2mは、公式平面の画像比率からの概算。寸法注記として確認した値ではない。3桁の精度を持つ建物寸法として説明しない。
- **再判読での重要更新**：2階・3階の寸法線を原スキャンから切り出し、回転して二者が独立に目視した結果、繰返し寸法は **4534mm**、両端は **2265mm** と読むのが最も有力。4.2mという画像比率の概算より、**4.534mという寸法テキストの暫定読取**をモデルの根拠として優先する。5×4534+2×2265=27200mmと算術的に整合するが、総寸法の印字は潰れていて独立に確定できていないため、27.2mを実測確定値として示さない。
- この暫定読取からの柱芯候補は、主列の一端を0として **0、2.265、6.799、11.333、15.867、20.401、24.935、27.200m**。8本で、両端に半スパンを含む。入口側ロビーの追加領域を含むモデル全長30.6mとは別の値。3D上では適切な端部のオフセットを付ける。
- 公式PDFに埋め込まれた原画像は1656×2339px、200ppi・1bitのスキャン。6000pxへ描画しても情報量は増えない。長辺寸法線の数字の一部はなお判読困難で、推定数値を確定値へ昇格させない。
- 長辺の中央柱列は主区間のほか端部の半スパン程度の柱があり、単純な7本完全等間隔列と一致しない。平面拡大 `plan1_foyer_enlarged.png` の中央 x≈295 に、y≈120/187/320/452/585/721/854/920 の柱芯が見える。端の動線・階段・入口領域を含むため、同じ4.2mの列を無限に反復しない。
- 中央の提案領域だけでなく、両端の上階ロビー／通路と低い梁、ガラス妻面との取り合いを示すと実会場の印象に近づく。

### 設備の尺度

- ロッカー20個箱の外形は写真上で幅約1.5m、高さ約1.65〜1.8mと推定。公式の収納部寸法を箱の外形と取り違えない。
- 円筒器具は見た目から直径約0.14〜0.20m、長さ約0.8〜1.2mで近似できる。全数、正確なXY、材質、設置年、型番は未確認。
- 2024年写真ではロッカー上に白い機器があるが、2026年写真では見えない。白い箱を現在の恒久設備として必須にしない。

## 目視した5方向以上の写真

すべて `assets/references/venue/v2/` に保存。各写真は内部参照用。

| ファイル | 視点と観察内容 |
|---|---|
| `foyer_2024_entry_wide.jpg` | 入口側から反対端へ。緑壁の丸い開口、白い小箱、木カウンター、裸の中央柱、天井のハンチ |
| `foyer_2024_stair_overlook.jpg` | 反対端の上階から入口方向へ見下ろす。逆向きの全景、入口側階段・ロビー、ロッカーと柱列、銀筒の支持 |
| `foyer_2024_stair_vending.jpg` | 自販機側の階段側面。露出構造、段板と踏面、笠木、最下段の広がり |
| `foyer_2024_glazing_benches.jpg` | 窓際の家具と床の接写。白／黒の座面、木フレーム、灰と赤茶の骨材入りテラゾー |
| `locker_wall_2026_artdiary.jpg` | ホール側緑壁を正面斜めから。3ロッカーブロック、換気丸穴、飲水器、壁付小箱、梁の低さ |
| `cylinders_ceiling_2026_artdiary.jpg` | 天井と上階ロビーからの俯瞰。銀色円筒の直付け、樋形器具の別支持、段状天井 |
| `stair_detail_2026_artdiary.jpg` | もう一方の階段を正面から。最下段の台形、木笠木の曲線、青灰の踏面と白い先端 |
| `foyer_2019_nagata.jpg` | 2019年改修関係者の掲載写真。窓面、反対端階段、裸の柱、矩形ベンチ、上下の照明形状 |
| `greenwall_lockers_2024_dimp.jpg` | 緑壁のロッカーを斜め正面から。柱間での分散位置と20個箱 |
| `lockers_detail_2024_dimp.jpg` | ロッカー扉・鍵・取っ手の接写 |

## 出典

1. [神奈川県 音楽堂詳細平面図](https://www.pref.kanagawa.jp/documents/120038/s1-3_ongakudouheimenzu.pdf)。保存は親ディレクトリの `official_building_plans.pdf`。1階・2階の平面で柱・階段・寸法を監査。
2. [音楽堂公式 フロア図](https://www.kanagawa-ongakudo.com/assets/pdf/ongakudo_floor1.pdf)。保存は親ディレクトリの `official_floor_guide.pdf`。571.47㎡、動線・階段の照合。
3. [前川建築のホールとその響きを探る 2019年講演記録](https://www.saf.or.jp/saitama/pdf/library/library05_20190821.pdf)。橋本功、前川建築設計事務所長。PDF7ページ目のスケール付き断面を内部参照。掲載写真・図版の転載許諾は得ていない。
4. [永田音響設計 News19-08 神奈川県立音楽堂 開館65周年](https://www.nagata.co.jp/news/news1908.html)。2019-08-25。改修コンサルタントによる一次資料。ホワイエ内装の保存が改修の前提と説明。写真の直接URL https://www.nagata.co.jp/wp-nagata-corp/wp-content/uploads/2024/06/1908_04-1080x720.jpg 。URL中の2024はサイト移行時期と思われ、記事日は2019年。写真の厳密な撮影日は別記なし。
5. [音楽堂公式 館内サービス](https://www.kanagawa-ongakudo.com/service)。ロッカー個数と収納部寸法、1階北側の自販機を確認。
6. [照明学会 2019年照明普及賞 神奈川県立音楽堂](https://www.ieij.or.jp/atarashii-shomei/2019/pg_25.html)。特注上下配光ペンダントとLED更新の一次寄り情報。写真中の円環ベンチと他の資料の時系列が一致しないため、写真撮影時期は未確認とする。
7. [一人でライブ遠征 神奈川県立音楽堂](https://dimp3152.com/%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E5%A0%82%EF%BC%88%E6%A8%AA%E6%B5%9C%E3%83%BB%E6%A1%9C%E6%9C%A8%E7%94%BA%EF%BC%89%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/)。ツーアウト、2024-04-15公開・08-16更新。来訪者自身の2024年3月写真を形状観察の補助に使用。
   - 全景 https://dimp3152.com/wp-content/uploads/2024/03/20240320_100957984.jpg
   - 上階からの逆向き全景 https://dimp3152.com/wp-content/uploads/2024/03/20240320_132106303.jpg
   - 階段側面 https://dimp3152.com/wp-content/uploads/2024/03/20240320_132655854.jpg
   - 窓際家具 https://dimp3152.com/wp-content/uploads/2024/03/20240320_132218011.jpg
8. [MCs Art Diary 神奈川県立音楽堂見学③ ホワイエ編](https://ameblo.jp/art-masciclismo/entry-12968131374.html)。Naco、2026-06-02。来訪者自身の写真を形状観察の補助に使用。見学記は円筒も照明と述べるが、著者に記憶の留保がある。写真直接URLは `cylinders_lockers_research.md` に記録。
   - 階段正面 https://stat.ameba.jp/user_images/20260602/21/art-masciclismo/7a/bb/j/o0900067515788893663.jpg
9. [神奈川芸術プレス 2019年リニューアル紹介](https://mojo-kapress.amebaownd.com/posts/6203842/)。緑壁、楕円柱、手造りテラゾーの素材を確認。前回メモと同じ資料。

## 未確認のまま残ること

現地のレーザー実測値、現在の建築竣工図、梁と柱の正確な断面、個々の窓枠寸法、設備の材質・型番・全数、階段の蹴上げと踏面寸法、家具の最終配置、建物加振の方法と許可、音響伝搬・振動伝搬は未確認。3Dは公開資料に基づき忠実さを改善した提案模型で、実測BIM・施工図ではない。

## 追補 ロッカーと木製什器の位置訂正

ユーザーの「ロッカーと木製什器が反対では」という指摘を受け、2024年の互いに逆向きの全景、2026年の緑壁正面、2019年の改修関係者写真、公式平面とサービス案内を再照合した。**指摘は妥当。訂正前v2では長辺の向きが実写真と反対になっていた。**

### 視点を正規化した根拠

- 公式サービスは自販機の位置を1階ホワイエ北側と明記する。詳細平面で図上側の階段4は長辺方向、図下側の階段3は短辺方向で、入口ロビーの継続は階段3側。
- `foyer_2019_nagata.jpg` は窓面が左、緑壁が右。手前側の緑壁に木製カウンターがあり、遠い端に階段の正面が見える。この端は北側の長辺方向階段4と整合する。
- `foyer_2024_entry_wide.jpg` も窓左・緑壁右の同じ向き。木製カウンターが手前、シャッターを挟んでロッカーが奥。**このファイル名の entry は便宜命名で、単独では実際の入口側を確定した根拠ではない。**
- `foyer_2024_stair_overlook.jpg` は逆向きで緑壁が左。ロッカーが手前、シャッターと木製カウンターが奥へ続き、階段と入口側のロビーへ至る。逆方向でも同じ順序が成立する。
- `locker_wall_2026_artdiary.jpg` では、入口側から見た20個箱・20個箱・10個箱の順序が確認できる。20個箱2台のうち北寄りの箱と10個箱の間に飲水器がある。北寄りの端は白いトイレ入口が見える。

X=窓側0→緑壁13.6mを維持するBlender座標では、**Y=0を入口・階段3側、Y=30.6を北側・階段4・自販機側**と定義すると、公式の場所の区別と写真の左右が整合する。初期の「図面の下方向をそのままBlenderの+Y」とする対応は実写真の左右を反転させる原因になった。訂正はロッカーだけを動かすのではなく、壁沿い設備・階段を一貫して `Y_new = 30.6 - Y_old` とする。

### 正規化した緑壁沿いの並び

以下は位置関係を表す模式図。長さや間隔を測った図ではない。

```text
入口側 階段3                         北側 階段4 自販機
Y=0  ------------------------------------------------>  Y=30.6
       木カウンター   木カウンター   シャッター
                                      ロッカー20  ロッカー20  ロッカー10
                                                    飲水器       WC入口
```

| 物体 | 訂正前v2のY中心 m | 訂正後のY候補 m | 根拠と限界 |
|---|---:|---:|---|
| 木製カウンター 入口に近いもの | 27.7675 | 2.8325 | 2019・2024両全景で入口寄り。可動什器なので厳密位置は当日の配置に依存 |
| 木製カウンター 次のもの | 24.368 | 6.232 | 同上。2台が入口側の柱間にある |
| 中間のロールシャッター | 19.834 | 10.766 | カウンター側とロッカー側の間。写真にあるものを優先 |
| ロッカー20個箱 入口に近いもの | 15.3 | 15.3 | 中央に近い箱なので反転しても中心は同じ |
| ロッカー20個箱 北寄り | 10.766 | 19.834 | 2026正面と2024逆向き全景 |
| ロッカー10個箱 北端寄り | 6.232 | 24.368 | 2026正面の左奥側で5段×2列 |
| 端の開口 | 2.8325 | 27.7675 | 2026では白いWC入口が見える。訂正前の第2シャッターをこのまま実在確定扱いしない |
| 階段3 短辺方向 | 25.5付近 | 5.1付近 | 表は基点の位置反転。階段の向きも合わせて反転する |
| 階段4 長辺方向 | 6.3付近 | 24.3付近 | 同上。北側自販機の階段 |

表の細かい小数はモデル座標を再配置するための計算結果で、現地実測の精度を意味しない。外観再現では柱間と相対位置を重視する。提案する展示楽器・風船・観客の位置は元々仮配置なので、この建築座標の訂正に合わせて必ず反転しなければならないわけではない。

### 年代差と可動物

木製カウンターは2019年と2024年の写真で同じ入口寄りの2柱間にあるため、単なる1日の移動だけでは逆転を説明できない。2026年写真はロッカー側の近景でカウンター側全体を収めていないが、ロッカー3台の相対順序は2024年と整合する。白いロッカー上機器は2024年にあり2026年には見えない。カウンターの厳密な寄せ方、立て看板、扇風機、ベンチ、ゴミ箱等は可動物として扱う。
